「聞こえ」や補聴器に関するQ&A

人間の耳は、外耳、中耳、内耳の3つの部分から構成されています。
まずは耳として見えている部分(耳介)でとらえた音が耳の穴(外耳道)を通り、耳の奥にある鼓膜で受け止めます。
鼓膜で受けた音(空気の振動)は、耳小骨と言われる3つの骨(ツチ骨・キヌタ骨・アブミ骨)より成る蝸牛というカタツムリの形をした器官に伝えられます。
この蝸牛で音の信号が電気信号に変換され、聴神経を介して脳に伝わることで、言葉や音を理解するにいたります。

テレビの音量が大きいとご家族に指摘される。聞き返しや聞き間違いが多くなってきたと感じたら、先ず耳鼻咽喉科を受診され、医師の診断の元、なるべく早めに装用されることをおすすめします。
※2017年7月、国際アルツハイマー病会議(AAIC)において、ランセット国際委員会が「難聴」は「高血圧」「肥満」「糖尿病」などとともに認知症の危険因子の一つに挙げられました。さらに2020年には、「予防可能な40%の12の要因の中で、難聴は認知症の最も大きな危険因子である」という指摘がなされ、ますます難聴と認知症の関連が注目されています。

いいえ。一般的には適切に調整された補聴器であれば耳への悪影響はありません。逆に補聴器を装用した方が脳の活性化にもつながり、言葉を聞き取る能力の低下を防ぐとも言われているほどです。ただし老眼の進行と同じように加齢による難聴の進行はありますので、補聴器を装用しても進行が止まるわけではありません。

そもそも難聴になる過程において、世の中の雑音が徐々に聞こえ難くなって静かな生活を送ってしまっています。そこへ正常に聞こえる音量の補聴器を装用すると「雑音がうるさい」と感じてしまいます。まず重要なのは、やや小さめの音量から使い始め、徐々に音量を大きくし脳を慣らしていくことです。そのためには補聴器を必要な時だけ付けるのではなく、入浴と就寝時以外いつもつけておくことが重要です。当然それは一種のトレーニングのようなものなので、2週間程度の間隔でご来店いただき何度か調整させていただく必要があります。また、多くの補聴器に雑音を抑制する機能が搭載されており、きちんと聞こえに合わせて調整すれば昔の補聴器よりも格段に静かで、騒音下での会話も聞き取りやすくなるでしょう。

もし片耳にしか補聴器を着けなかったら・・・・

良く聞こえていた頃のような聞こえは望めません。それは両耳で聞いていた記憶です。片耳でも一対一ならおおよそ聞き取れるかもしれませんが、たくさん音がある中では聞き取りにくいままです。また、付けていない側からは聞こえにくいままですので音の方向が分からず車が近付いた時などは危険です。両耳に着けるより音量を上げなければいけませんので雑音も当然大きくなります。

すべてとは言いませんが、通信販売などで販売されている補聴器の多くが音を増幅させるだけの「補聴器もどき(集音器)」です。本当の補聴器とは、高い信頼設計と厳密な品質管理をクリアした厚生労働省の許可を受けた医療機器です。難聴と言っても、人それぞれ症状は変わるため、調整なしで使用できるものではありません。トーシン補聴器センターは、公益財団法人テクノエイド協会の「認定補聴器技能者」が在籍する「認定補聴器専門店」ですので、安心してご相談ください。

耳かけ型やポケット型といった既製品は、当日に持ち帰っていただけますが、最近では補聴器本体のカラーをお選びいただける機種が多くなっており、色によっては欠品の場合があります。また、耳あな型はほとんどがオーダーメイドですので、耳の型をお採りして10日ほどかけて作成することになります。もちろんその日にすぐ購入されることはお勧めできません。
ご試聴いただいて、ご満足いただけるまでに3か月掛かる場合もありますので、先ずは持ち帰ってご試聴されることをお勧めいたします。

トーシン補聴器センターでは、現金の他、クレジットカードによるお支払いも承っております。また、トーシン補聴器センターが指定するクレジットローンもございます。クレジットローンのご利用にあたっては、信販会社による審査手続きが必要となりますので、まずはトーシン補聴器センターのスタッフにお問い合わせください。

補聴器の価格は性能などにより異なりますが、安いもので3万円前後から、高いもので50万円(片耳分)のものまで、非常に幅広くなっております。性能以外にも、形状(ポケット型、耳かけ型、耳あな型)や大きさによっても変わってきます。もちろん、スマートホンとの通信機能など多機能なものになればなるほど高額です。両耳同時に購入する場合は両耳割引がある場合が多いです。

補聴器の大規模市場調査(ジャパントラック2018)の結果では、補聴器を購入された方の平均購入価格は、両耳で30万円、片耳で15万円となっており、トーシン補聴器センターでは先ずこの普及価格帯の製品を中心にお勧めさせていただきますが、最新のデジタル機能が充実した高性能機種や、リーズナブルな機種まで幅広く取り扱いがございますので、お客様のご要望をスタッフにご遠慮なくお申し付けください。

確かに補聴器は、日常生活で試さないと効果を確認できません。また、安い買い物ではないため、なおさら慎重になるのも当然です。そこで、トーシン補聴器センターでは、その方に応じた試聴期間を設けております。貸し出しの際には、保証金として、10,000円(両耳20,000円)をお預かりいたしますが、万が一ご購入に至らなかった場合は全額返金いたしますので、お気軽にご依頼ください。
トーシン補聴器センター・試聴制度についてはコチラを参照ください。

平成30年度から、一般社団法人日本耳鼻咽喉科学会が認定した補聴器相談医を受診し、「補聴器適合に関する診療情報提供書(2018)」により処方され、認定補聴器専門店にて購入した補聴器の購入費用は、医療費控除を受けられることが、厚生労働省、財務省によって承認されました。

手順は、以下の通りです。

まず耳鼻咽喉科補聴器相談医を受診し、必要な問診・検査を受ける。
補聴器相談医より、「補聴器適合に関する診療情報提供書(2018)」に必要事項を記載、処方してもらう。
認定補聴器専門店に行き、「補聴器適合に関する診療情報提供書(2018)」を提出し、試聴の後、補聴器を購入する。
購入決定後「補聴器適合に関する診療情報提供書(2018)」の写しと補聴器の領収書を受け取り、当該年度の確定申告における医療費控除対象として申請し、保存する。(税務署から求めがあった場合は、これを提出する。)

日本では補聴器を購入する際、生命保険や健康保険、介護保険などの適用を受けることはできません。受けることができる制度としては、難聴の身体障碍者手帳を交付されている方のみ障害者総合支援法による補助があります。また、それ以外の方でもお住まいの市町村区によっては、補聴器購入費助成制度を設けている自治体があります。助成制度の有無、助成対象、金額など自治体によって違いがありますので、まずは市区町村の福祉事務所窓口にお問い合わせください。